日本経済新聞一面の社説「春秋」に取り上げられました

  • 2017年9月14日
  • 新聞

日本経済新聞一面の社説「春秋」に取り上げられました

神奈川県秦野市の旅館、陣屋は三井財閥の別荘として始まり、それから来年で丸100年になる。というと古めかしい感じがするが、情報武装が進んでいるのが特色だ。従業員はタブレット端末で宿泊客のお酒や料理の好みを記録し、次にその客が訪れた際に役立てる。

▼2009年、赤字体質から抜け出そうと旅館経営の情報システムの開発に着手。手書きだった宿泊予約の管理は機械化でミスがなくなり、食材の仕入れ費用も正確につかんで着実に利益を出せるようになった。ただ宮崎知子社長の話では、経営再建はIT(情報技術)のおかげばかりではない。従業員の意識改革も大きい。

▼前は炭をおこすだけ、料理を運ぶだけの人もいた。知子氏と夫で前社長の富夫氏はパートを含め120人いた全従業員と面談し、接客が苦手なら掃除というように仕事の範囲を広げてもらった。各種の申請は紙では受け取らず、情報端末に慣れるよう促しもした。こうした積み重ねが生産性を高める土台になったといえる。

▼職場を去る人も出たが、それだけ改革が真剣だった表れだろう。生産性向上ではIT活用への期待が高いが、肝心なのは働く人のやる気をいかに引き出すかだ。いま陣屋は火・水曜が定休日で、従業員は「月2回、週休3日になる」(知子氏)。休日の確保も働く意欲の持続には欠かせない。さらに歴史を刻む基盤になる。

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